NPO法人尼崎市身体障害者連盟福祉協会のブログです。当連盟に関する様々な情報を提供します。
最近、鉄道のホームからの転落が多くなっているようです。
障害者が転落する危険性は昔から指摘されていたのになかなか改善されませんでしたが、最近は東日本を中心に整備されるようになってきました。
ただ、西日本では大手私鉄が平成25年秋の時点で全く設置しておらず、思い浮かぶのは大阪市地下鉄のニュートラムくらいのもの。あとは新幹線の新神戸駅でしょうか。
どうしてこうなるのかというと、コストの問題もありますが、一番大きな原因は電車の形状が同じ会社でも一致していないことがあるからだそうです。
特にJRでは電車の種類ごとに乗降位置が違います。東海道線の通勤電車、快速電車、新快速、特急電車、本当に様々です。
そんな中で最近、JR西日本が桜島駅での試験に取り組んでいます。
コストをできるだけ落とすことと、いろいろな種類に対応できるようにするためにロープが上下するタイプのものになるようです。
ドア式のものでなくてもこれで本当に大丈夫なのか、という心配はあるのですが、少なくとも以前よりはよくなっているのは確かですから、経過を見守りたいと思います。
さて、いよいよ年末です。
来年は障害者の権利条約批准に合わせていろいろな動きが活発になると思います。今よりもずっと良い状況になるといいですね。
皆様も良いお年をお迎えください。
国会で障害者の権利条約の批准が承認されたのは記憶に新しいところです。
今後は当事者も参加しての取り組みが行われることに期待したいものです。
と思っていたら、明石市で画期的な取り組みが行われるという話を聞きました。
内容は障害者施策担当の任期付き職員の募集があるそうです。
募集要項に書いてあるのは次のような内容です。
「「障害者差別解消法」の制定や「障害者雇用促進法」の改正等により、障害者施策の充実が図られる中、行政分野等で豊富な実務経験のある障害者を専門職として採用することにより、新規施策の立案等はもとより、明石市に勤務する障害者職員の一層の活用や、民間における雇用促進など、障害者基点による積極的な施策展開を図るため、明石市では、障害者施策等に関する専門的な知識・経験を行政分野で発揮できる専門職を募集します。」
しかも、自力通勤が可能かどうかを問わない内容。
詳しく知りたい方は次のリンクへ
明石市ホームページ任期付き職員採用
葉月「肺炎の後先」
肺は空気中の酸素を取り入れる大事な器官です。肺炎になると、吸気量が減って、必要な酸素が取り込めなくなります。そのために発熱があり、極度の疲労感と無気力感に襲われ、命にかかわる怖い病気です。乳幼児から高齢者まで年齢に関係なくみられます。
もう30年も前のことですが、大正13年生まれの女性が、医者に通っても微熱が続くといい、息苦しさを訴えて来院されました。呼吸は浅く、触診すると肩・頚から背部胸部が腫れぼったい様子。頚の左右から背中にかけ浅いはりとマッサージを施し、仰向けになってもらい、鎖骨の上下へ軽いはりをしたところ、呼吸が深くゆっくりになり、皮膚や皮下から腫れぼったさが引いていました。
この経験から初期の肺炎らしい症状にもはりを試みるようになりました。また、多くの患者さんの治療を通じて、肺炎後の症状改善や体調の回復にもはりと軽いマッサージが有効だと分かりました。
昭和5年生まれの私の兄は70代の頃、心臓病で専門医の治療を受けながらも、風邪を引くと呼吸が乱れ、夜は横たわることができず、布団を抱えるように座って眠っていました。
そんな時に胸や肩から背中にかけて浅いはりをすると、熱が下がり、息苦しさが和らぐのです。病院を受診すると「肺炎です、点滴をしましょう」といわれ、何日も通院していました。
つい最近も、70代の女性から元気のない声で予約の電話。いつもと違い、声に勢いがなく、発語もはっきりしません。治療院で話を聴くと、体調不良で入院していたとのこと。元気がないのは、肺炎による疲労感だったようです。触診すると頚から背中、鎖骨の上下の皮膚も皮下組織も腫れぼったく、リンパ鬱滞がありました。頚の右側から肩・背中へ軽微なはりをし、反対側にも同じような処置をしました。腫れぼったさがなくなり、息が深くなって声に張りが出てきました。本人も呼吸が楽になったと実感され、二人で喜び合いました。
病院・医院という「大船」だけでなく、はり治療という「小船」でこそ助けることができるケースもあるのです。
「2013年8月・鍼灸柔整新聞より」
障害者の権利条約を批准するための審議が今回の国会で審議されて、無事衆院、参院とも全会一致で承認されました。
今後は国内法の順次改正が待っています。
とはいえ、介護保険法や障害者総合支援法の改正論議にも見られるように、財源が大きな問題となって立ちふさがっています。
ハードウェアにしても、ソフトウェアにしても一時的な費用ではなく、何年にもわたって支出が見込まれていくため、その費用をどうやって捻出していくか。社会保障費に当てるために消費税が上げられることになりましたが、社会保障といっても障害者福祉だけではないのでどれだけの予算が充てられるか不透明です。
とはいえ、日本にとって大きな一歩を踏み出したことには変わりはありません。誰にとっても住みよい社会を作っていくためにはこれから何年もかかるでしょうが、少しずつ歩んでいきましょう。
先日、有限会社のぞみを今後どのようにしていくか、障害福祉課と意見交換を行いました。
尼崎市としては財政難の折、新規事業として補助金を出すことはできない状態であり、当初の目的通りモデル作業所としての運営を頑張って続けて欲しいということはできないとのことでした。
連盟としては補助金が打ち切られて経営ができなくなった時点で、廃業するという手段もあったはずなのですが、そのときの経過がどうであれ、今に至っている状態を投げ出すことはできない状態になっています。
介護事業所として出している利益も、作業所にすべて吸い取られ、職員やヘルパーへの賃金としての還元もできない状態になっています。ということは連盟に利益を還元することもできないわけです。
作業所単独の赤字は年間200万円に上ります。
連盟としては将来的にこの会社をどうするか議論を続けなければなりませんが、いずれにしても作業所の収益をなんとかするために現在の場所からの移転は避けられなくなるのは必至です。
といいますのも施設を尼崎市から無償で借りているためにこれ以上の支援を受けることができないためです。障害者総合支援法に基づく地域活動センターへの移行を実施するにしても、現在の場所からの移転が条件になります。
皆さんの知恵をお貸しください。
神無月「肺のはたらき」
今回は、肺の調子を確認する指標を二つ紹介します。一つは、肺活量。力いっぱい空気を吸い込んだのちに、力いっぱい吐き出した際の空気の量です。大人の男性で3から4リットル、女性では2から3リットルです。肺活量が足りないと運動により早く息切れし、呼吸は浅く速くなります。もう一つは、呼吸の勢い。吐く息・吸う息は人によって勢いが違います。元気な大人なら一息で難なく吹き消すろうそくの火も、幼児やお年寄り、呼吸器や心臓に障害のある人ではそうはいきません。肺活量と呼吸の強弱に、呼吸機能の状態が表れるのです。
大きな肺活量、勢いのある深い呼吸は、肺の換気量にも関係しています。力いっぱい息を吐き出しても肺は空にならず、1リットル前後の空気が残留します。この残留空気は安静時にはもっと多くなります。残留空気を効率よく入れ替えることは、酸素をより多く取り入れることにつながるのです。
健康法の基本は、効率のよい呼吸法。腹式呼吸を身に付けましょう。一般に「女性は浅い胸式呼吸、男性は深い腹式呼吸」と言われますが、実際は混合型です。腹式呼吸のために私がおすすめしたいのは、「3呼1吸の呼吸」です。はじめに、正座して三つ指をつくようにゆっくり体を前に倒しながら、「はっはっはー」と3段階で息を吐き切ります。すると苦しくて自然と息を一気に吸い込むことになりますので、吸いながら体を起こしましょう。これが3呼1吸法です。ゆっくりと一度に5回ほど繰り返し、これを毎日2、3セット行います。いつのまにか腹式呼吸が身に付いています。ひと時のくつろぎにもなり、日々のストレス解消にも役立ちます。是非、試してみてください。
「2013年10月・鍼灸柔整新聞より」
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