NPO法人尼崎市身体障害者連盟福祉協会のブログです。当連盟に関する様々な情報を提供します。
鉄道やバスなど公共機関の事業者に段差解消を促す改正バリアフリー法が5月18日に国会で成立しました。
障害者権利条約の批准に合わせて理念規定を盛り込んだほか、市町村に「移動円滑化促進方針」の作成を努力義務としました。
現在は交通バリアフリーの計画作りが全市町村の2割にとどまっており、努力義務とすることで市町村による計画作りを進めたいと考えているようです。
国土交通省は23年度までに300市町村がバリアフリーに関する大まかな目標を盛り込んだ「マスタープラン」の作成を行うことを目標としています。
画期的なのは、国および市町村によるバリアフリー化計画に高齢者、障害者の当事者が関与できる仕組みができたことです。
今後、いつでも、どこでも自由に移動ができる社会作りが進むものと期待して良いでしょう。
内閣府で障害者基本法に基づく障害者基本計画が作成されていますが、平成30年3月に平成30年度から34年度の5年間を計画期間とする第4次障害者基本計画が公開されています。
国の障害者施策の基本方針を11項目にわたって述べており、数値目標が必要なところはそれも掲載されています。
相模原事件を念頭に置いた「一人ひとりの命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という理念を浸透させていくこと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを意識した誰もが活躍できる社会作りをしていくことにも触れています。
具体的な項目を箇条書きで書いているので、読みにくいことはありません。皆さんにもご一読いただけたらと思います。
内閣府ホームページからダウンロードしてください。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/wakugumi.html#kihonhou
有限会社のぞみでは情報収集のためにいろいろな媒体を利用していますが、その一つに「訪問介護サービス」という冊子があります。
最新号の特集が「生き残るための訪問介護事業所運営」。
色んな寄稿があるのですが、今回の介護保険制度改定に当たり、今後のあり方を提案する内容となっています。詳細は省きますが、障害福祉サービスにも影響しそうな内容もあり、その点のみ紹介します。
冒頭の寄稿者は今回の介護保険制度改定を「今後は身体介護を中心としていく」という国からのメッセージと受け止めており、いわゆる「生活援助」は訪問介護事業から外されていくのではないかと想像しています。
事実、総合事業が開始されたことで介護事業所が行うべき業務の内容が絞られています。大手の事業所は総合事業からはどんどん撤退しています。
これまで、障害福祉サービスの見直しも介護保険の形に近づけるような変更が行われてきたように思います。ということは、障害福祉サービスの生活援助もいずれはなくなりはしないものの、報酬単価が下がり、実施する事業所は少なくなるのではないかということが予想されます。
訪問介護と障害福祉サーヒスを一緒にできる共生型サービスなど利用者にとっては使い勝手が良くなる一方で、事業運営の環境はどんどん厳しくなっています。
事業所が減れば、選ぶ余地が減るということ。従業者が減れば、サービスを受ける機会が減るということ。
自分たちの生活を守るためにも、視野を広げていく必要があるなと感じています。
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